今月の一言

2024年6月

最近、鍼灸やツボ関係の特集番組がいくつか放映されました(教えてくださった患者さんありがとう)。施術を受けた患者さんが体験的に効果を実感するのとは違って、数値や画像なので効果を客観的に説明できるのは良いことです。鍼師が一番やりにくい猜疑心の強い患者は「妻」ですが、録った動画をさりげなく流して理解を促す日々が続いております(笑)。

 さて、自律神経が乱れる春の時期から、本来調整期間となるはずの5月の良い季節がちょっと微妙で、様々な不定愁訴が尾を引いたり、梅雨の前倒し的に神経痛を発症する方とかが多く見られた一月でした。

 6月は梅雨入りですが、多湿のため、身体に水分が停滞し、熱が放散しにくく、「ジッとしていると寒いのに、動くと暑く」感じます。これに、梅雨寒や気圧の低下が加わると、関節痛や神経痛・古傷痛が目立つようになります。これは急激な気圧の低下で体液成分が変化することと、冷えにより体表の血管壁が収縮し、痛みの受容器を刺激することによって引き起こされる痛みで「気痛」と呼ばれます。応急的には温めることが一番です。

 また、湿気は消化系統である「脾」に影響すると先月も書きましたが、吸収力も蠕動運動も低下し、お腹が張ってもたれ気味。尿も大便もすっきり出なくて急に下痢・腹痛を起こすこともあります。また、東洋医学の心身相関では、脾が弱ると心の変動は「思」に繋がります。「ハッと気づくと同じことばかり考えている」と、思考のループにはまり、思い悩んでどんどんネガティブになっていくという鬱まっしぐらです。東洋医学の原典「素問」には「思」の感情は「怒」で抑制できると記されていますが、伴侶が鬱っぽい時はわざと怒らせてみる?のも良いのかもしれません。鍼師の妻は気付いたら「怒」ってる気がしますが…。

 ともかく、消化器系統「脾」の強化には、ツボ療法としては、先月書いた「足三里」「中月完」「少海」の刺激を継続し、漢方薬では、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)が消化吸収を助けながら、余分な水分を取り除く作用があり、熱中症で多用する五苓散(ごれいさん)も水分代謝改善で効果的なので、持っておきましょう。その他、汗をかく機会を増やし、夏バテしない質の良い汗をかけるように準備もしておきたいですね。

食養生としては、利尿作用を高め水分代謝を改善するハトムギ、小豆、緑豆。脾胃を温めて、発汗を促すショウガ、ネギ、花椒が有効です。また、食べ方として、普段は胃に優しい暖かくて消化の良い食事を心がけて胃を休め、、何日かおきにエネルギー効率の良い、精の付く食べ物(鰻や焼き肉など)を食べるというのも良しです。鰻にはビタミンBやミネラルも豊富に含まれています。「アレ食べたいコレ食べたい」の食欲は「アレやろうコレやろう」の意欲に通じるので、食欲を落とさず、美味しい食事が継続できるよう養生しましょう。

先日、ある患者さんからオススメの鉄火丼専門店を教えていただき、家族で行ってきました。美味しかった。その方から、「奥様のご機嫌とりにいいですよ」と言われ、「え〜、じゃぁ、毎日連れて行かなきゃいけないじゃん」と思わず言いそうになった鍼師でした。


先月の一言

2024年5月

 春に三日の晴れなしとはよく言ったもので、4月は晴れが続かぬ雨の多い一月でした。後半は妙に湿度も上がり、もう梅雨か?という日もあり、胃腸の不調を訴える人も見られました。本来は5月の下旬から湿度が上昇し始め、不快指数が増し消化器系統が影響を受けるのですが、梅雨や夏に体調の大崩しをせぬよう、今年は早めの対策が必要なようです。胃腸に自信のない人には、あらかじめ短期間の断食などをして胃腸の余裕をつくったり、食事を6時間以内に収めて残り18時間をプチ断食する食事制限がかなり効きます。先日焼肉の食べ放題で限界超えて食べて絶不調になりましたが(何しとんねん)、鍼師は微妙にヘタレて16時間プチ断食、加えて足三里や中月完(ちゅうかん:胸骨下端と臍の中央)、少海(肘の内側の骨のきわ、肘を曲げてできる横じわの内側の端)の刺激で2日で完全復活でした。

 今年のゴールデンウィーク?は前後半に分かれて大型とならない人も多いようですが、長期休みの明けの辛さを考えるとこれもまた良しかと。5月の上旬は本来一年で最も快適に過ごせる時期です。陽気の上昇にも身体が慣れ、身体中の新陳代謝も最も活発になります。太陽の光も降り注ぎ、紫外線のビタミンD活性化作用で、この時期の運動は、骨を強化するので、なわとびなど、直接骨に負荷をかける運動は特にお薦めです。4月から運動を始める予定だった鍼師は、なんだかんだと出遅れており、妻はセッセと毎日1時間ほど歩いて先行し、得意げで勝ち誇った顔と言動が、妙に鍼師の心を波立たせる今日この頃です(見てろよ〜)。

※鍼師祥寿院ではこのたびLINE公式アカウントを取得し、来月から毎月の休診日と鍼師の一言(文字数制限でダイジェスト版)を配信する予定です。LINEを利用されている方は是非友だち追加していただき、一度氏名を入れてメッセージをいただけると助かります。よろしくお願い致します。

2024年4月

 2月が妙に暖かい日があったりと、厳寒の感じがなく3月に突入し、春の陽気がどんどん増して来るのかと思いきや、三寒四温じゃなく四寒三温のような、「春に三日の晴れ無し」よろしく、穏やかな日は少なく、春の嵐で突風が吹き荒れ、3月後半まで寒さで桜の開花も遅れ、また、地震も頻発と、荒れに荒れた一カ月でした。激変する気温から、体温調節が難しく、自律神経の調整余力が削られ、体調崩す方が多くみられました。皆さんは如何でしたか?

 鍼師は3月27日の健康診断のため、減量に挑戦し、今回の方針は食事制限のみで、空腹時間の確保のため朝食を抜いて、昼は少な目、夕食に高蛋白低糖質で励んできました。概ね協力的だった妻が、減量が順調だと、高カロリー高糖質の好物カレーライスを作って邪魔を入れたりしましたが(嫁~なにしとんねん、怒)、まずまずの結果だったかと。

 さて、4月はさすがに春の陽気が本格化するはずですが、そうなると、「春眠暁を覚えず」で、なんとなく調子が悪い、だるい、眠い、といった春の不調状態に陥り易くなります。これは、、新陳代謝が寒さによる抑制が外れて急激に活発になることによる「ビタミン欠乏」も原因の一つ。特にVB1,VB6,VEが不足するので、豚肉、春キャベツ、ピーナッツ、ネギ、ニラ、ニンニクなどを食べてビタミンB群の補給をしておくと効果的です。それから「快適気候」で体温維持が不要となり基礎代謝が逆に低下するのも関係してきます。こういった状況に対して、ツボ療法は、先月も紹介した「太衝」「曲泉」や足の外くるぶしの前・下・後ろ周辺の刺激が有効です。

 4月の下旬からは、春の急激な陽気の上昇にも慣れ、万物の生長の時期よろしく人間も心身の地力を増進するのに適した時期に入ります。これからの3ヶ月間で、その後の季節を乗り切るための身体を作り上げたいところですが、そのためには適度な運動と十分なたんぱく質の摂取が必要です。で、今回はこのたんぱく質摂取について一言。最近、食べているのに腸での吸収に難がある「リーキーガット(腸粘膜の網目が緩くなって漏れる状態)症候群」が注目されるようになりました。肉を食べても、消化され使えるアミノ酸の形でなく高分子で吸収され、元気になれず逆に疲れたり、アレルギーの原因になったりします。この為、まずはたんぱく質を消化吸収できる小腸粘膜の改善なのですが、小麦粉のグルテンと牛乳のカゼインが腸粘膜に長時間張り付き傷つけることが判っていて、2週間制限するとリーキーガット症候群から回復するようです。最近は葛西駅近くに美味しそうなコッペパン屋さん開業など誘惑が多いですが、体力増進・筋肉量アップのファーストステップとしてやってみてください。

 最後に一言。今年4月から、特定健診における高血圧での受診勧奨と判定する基準(mmHg)が、現在の「収縮期140/拡張期90」から「収縮期160/拡張期100」へと変更されることになりました。鍼師は長年、「血圧は低ければ低い方が良い」という医師の意見に疑いの目を向けていましたが、不必要な降圧剤の処方・服用が減ればいいなと思う今日この頃です。

2024年3月

2月は例年より2週間早い19日に春一番が吹き、20日に東京で23.7℃、群馬県高崎市では25.7℃の夏日を記録するなど、一体夏はどうなるの?と戦々恐々する気候でした。ということでしっかりと暖冬ではあるのですが、常に暖かいわけではなく、気温の乱高下が激しく、急に冷え込む時には、先月も書いた冬の病たるギックリ腰や坐骨神経痛、急に気温上昇する時には、肩凝り・頭痛・めまい・耳鳴り・のぼせといった春の病が発現し、冬と春の病の入り乱れる落ち着かない一月となりました。

これからは寒さで頻発する症状は落ち着いてきますが、春の病は逆に増えてきます。春の病は東洋医学的には、肝気の乱れにより体内の気が上昇し起こる上半身の症状です。この対処としては足の1・2指の間の付け根にある「太衝」や膝窩横紋の内端にある「曲泉」という肝臓強化のツボを刺激したり、食後や夜の入浴中などに下腿をしっかりもみほぐすことが有効です。

この肝気の乱れ、精神的には能動的な精神活動のコントロール不能という形で現れます。これがマイナスに働くと、やる気がでず、ボーとして物事に集中出来なかったり、鬱っぽくなったりします。プラスに働くと統制が利かずに突発的行動に出たり、イライラして怒りっぽくなったりするわけです。痴漢や露出狂などの軽犯罪が増え、周囲との摩擦や夫婦喧嘩が多くなるのがこの時期です。年初から妻の買い漁っている防災グッズや水の備蓄が妻の寝室を圧迫し、地震があったらこれで圧死するんじゃねーの?と思う今日この頃ですが、余計な事は言わずに、今日も穏やかに過ごす鍼師でした。

〜追記〜

今年6月の郵便大幅値上げを機に、ハガキでの休診予定通知を大幅縮小予定です。治療院での「一言・予定表」配布とともに現在、ホームページ等の改革中(shoujuin.netで試作中)です。なにかお気付きのことがあれば皆様のご意見お待ちしております。

2024年2月

 今年は元旦の能登半島地震に始まり、2日にも羽田空港で日航機と海保機の衝突事故と、とてもお祝いムードになれない年の幕開けとなりました。震災の犠牲者、海保機の犠牲者には謹んでお悔やみ申し上げます。その中でも日航機の乗員乗客の全員無事脱出は「まさに奇跡」と世界のニュースに報じられ、乗員の的確な指示と乗客の模範的な脱出は賞賛に値すると拍手を送りたいです。

 比較的暖かく推移してきた関東ですが、大寒の頃は寒波も来て、そのためか急性の腰背部痛(いわゆるギックリ)が目立ちました。このギックリというのは、脊柱起立筋の筋膜や椎間関節を支える靱帯といった軟部組織の損傷で、治療は局所の鎮痛による関連痛の排除と損傷部位の循環改善で治りますが、こじらせて慢性に移行させないことが肝要です。同時に多かった坐骨神経痛は、神経周囲の筋肉組織等が冷え込みによる緊張で一定時間神経線維を圧迫したことで、神経が過敏状態になり発症します。一度過敏化した神経は正常に戻るのに一定時間が必要になりますが過度な心配はマイナスなので避けましょう。ともかく、2月半ばまでは寒さが続くので、腰背部が冷えているときはカイロや腹巻きでガードし、トイレを我慢すると膀胱を中心に冷えるのと、腎臓の働きを邪魔してさらに腰に響くのでマメにお小水に行き、内外から温めましょう。

 敏感な人では1月前半から症状が出始めている花粉症。東洋医学では花粉症になる体質「水毒(水滞)」を改善するという根本療法がありますが、発症したら対症療法中心になります。効果的なツボとしては、メガネの鼻あてが当たる所にある「鼻通」というツボや正中線上で髪の生え際から1~2㎝入った所の「上星」というツボ、後は手の「合谷」があり、これらのツボをズーンと強めに押すという刺激をしばらく与えるだけでも鼻水症状の軽減を期待できます。

 先日、関東でも東京湾を震源とする震度4の地震がありましたが、元旦以降、防災意識マックスの鍼師の妻は、楽観的で危機意識の低い鍼師にイライラを募らせているようです。今回は妻が正しい(いつも正しいとは言わない)と、いずれ訪れる関東大震災に物資的にも心身的にも準備に協力しようと思ってます。…出来るだけ。

〜追記〜

今年6月の郵便大幅値上げを機に、ハガキでの休診予定通知を大幅縮小予定です。治療院での「一言・予定表」配布とともに現在、ホームページ等の改革中です。皆様のご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。

2024年1月

皆様、あけましておめでとうございます。本年も鍼師祥寿院をよろしくお願い申し上げます。

新年を迎えるにあたり、昨年はどんな一年だったか振り返ると、ウクライナ・ロシア戦争は終息せず、新たにイスラエルが内戦状態に入り、国内はビッグモーターの不祥事からダイハツの不祥事まで大企業の不正が表面化し、政治では政権与党の自民党の政治資金問題が表面化し支持率急降下という事態になっています。加速度的に進化する文明や技術に対し、人間の未熟さは相変わらずなのでしょう。人間の活動の所為なのか、異常気象は常態化し、今年も酷暑になるのか?大災害も起こるのか?やはり人類は終末に向かっているんじゃないか?と、先行き不透明で漠然とした不安が増大しているように感じます。

慢性的な不安は、脳の海馬を萎縮させることが報告されていますが、そのことで記憶力は低下し、不安がもたらす神経伝達物質異常は欲望や衝動をコントロールする理性的な判断力を奪いトラブルを増やします。脳の扁桃体も敏感になり、ストレスに過剰に反応するようになり、自律神経は失調し、心疾患や脳卒中など血管障害のリスクが上昇し、健康寿命を縮めます。

この状態に加え1月から2月までの寒い時期は、早朝時のトイレの寒さ⇨血管収縮⇨血圧上昇による脳卒中や、入浴時の冷えた体に熱い湯⇨血圧急上昇⇨湯に浸かる⇨身体の弛緩⇨血管拡張⇨血圧急低下⇨貧血・失神⇨溺死というヒートショックが起こりやすいので注意です。急激な温度変化を伴う行動はじっくり焦らず行い、左手の脈を診て激しく打っている場合は、心臓や脳に大きな負荷がかかっていると自覚し、前腕の掌側中央を手首から肘までのライン(心包経)を10秒ほど指圧刺激すると心臓が余裕を持てます。また、第2の心臓であるふくらはぎをもむのも循環系統に余裕をもたせてくれます。

 不安や焦燥感に苛まれる方は、鈍感力を発揮し、ケセラセラで気楽に過ごしていただきたいものですが、なかなかに難しいもの。心臓のツボでもある「だん中(両乳首と正中線の交点)」が、心のこりをほぐすツボでもあり、第7と第8胸椎の間のツボ「至陽」と合わせてお灸をすると心が落ち着きます。ストレスの反応の出やすい左肩甲骨内縁も押して和らげると深く息が吸えてリラックスできます。心が弱っていたり鬱っぽくなると耳下から鎖骨内側につながる胸鎖乳突筋が凝り固まります。これをほぐすのも脳がリラックスし自律神経も調整されます。

 最後に精神不安の身近な原因は人間関係。「自分が相手より少しだけ損をするよう付き合いを心がけると上手くいく」。今年も穏やかに幸せを感じながら過ごす生活を大切にしたいですね。と誰か鍼師の嫁に言ってくれ(泣)。


2023年12月

今年は長い夏が終わると、10月は短く、11月はもっと短く、そして12月はあっという間に過ぎ去ってしまいそうな、時の流れの速さに呆然とする今日この頃です。秋らしい穏やかな日が本当に少なく、日々の温度差について行けず、風邪をひいたり、冷え込みによる腰痛が見られたりと、体調管理も難しいようですが、年末年始に向け、少々無理しながら突っ走っていく今年最後の1ヶ月。

 今年は外国観光客が多く訪れ、繁華街も賑わい、年末は様々なイベントで暴飲暴食の機会が増えるでしょう。「今日は酒量が多そう」と予測される場合は、肝臓の解毒能力を高めるL-システインを服用し、肝臓の反応点である「太衝」(第1指と2指の骨間の線上)を刺激しましよう。

 酔いに伴う暴食では胃腸に負担を掛け、さらに年末の忙しさやストレスが加わると、場合によっては胃や十二指腸潰瘍になります。朝、胃がドーンと重痛く、背中に痛みが生じたりすると要注意。「衝陽」(足の第2,第3指の骨間、足骨の高くなっているところ)にも圧痛反応が出ますので、足三里とともに、じっくり指圧や灸の温熱刺激を加えましょう。

 さらにこの時期は、お腹にくる風邪、ノロウィルスがあります。食中毒的な症状を呈するこの状態には、足の人差し指の付け根あたりにある「裏内庭」というツボに熱いお灸を据えると胃腸の炎症が早く治まります。身近に罹患した人がいる場合は、消毒も大事ですが、ノロウィルスはアルコール程度では死滅せず、有効なのは次亜塩素酸ナトリウム(キッチンハイターなど)です。塩素臭いですが、ガンガン使って滅菌しましょう。

 今年はChatGPTに代表される生成AIが世界的なブレイクスルーを起こし、最近も手塚治虫の名作ブラックジャックの新作が生成AIとのコラボで誕生しました。まだまだ著作権など様々な問題をかかえていますが、医師の診断分野など人間の知的分野では活用される場面が出てきそうな予感がします。不機嫌な奥さんに、AIの夫婦円満のちょっとしたアドバイスを戴きたいと切に願う鍼師でした。


2023年11月

9月後半まで暑かった長い夏も10月は一転して一気に気温が下がり、朝晩は快適をすっ飛ばして寒い?感じでした。気温の日格差も大きく、感冒やらギックリ腰やら自律神経失調による倦怠感やら、体調管理が難しかったようです。

11月は「陽消陰長」といって、日はどんどん短くなり、さらに寒さが増し、気温の日格差も大きくなり、肺の負担は増していきます。立冬(今年は11月8日)を過ぎてからの風邪はこじれると高熱が出て、気管支炎、肺炎など重い症状で苦しむことになります。

夏、大幅に減少したマスク着用も、これからの季節は乾燥して冷たい空気を直接吸わず、喉や気管の温度や潤いを保つため有り難さが増します。気管支が弱い人で、マスク効果でも追っつかない人は、体質改善として、呼吸器に潤いを持たせる柴朴湯(さいぼくとう)はお薦めです。先月述べた肺を強化する「中府」「肺ゆ」、免疫強化の「大椎」などのツボ刺激は継続しましょう。食べ物では梨やユリ根、銀杏も鎮咳作用があり、大根おろしも効果的です。風邪は悪化させないよう、初期対応をしっかりしましょう。

 乾燥した空気は、皮膚にも影響します。乾燥しないよう保湿能力を維持したいところですが、皮膚の保湿で一番大事なのは角質層で死んだ角質細胞(垢の元)が折り重なっています。この層は同じ厚さのプラスチック膜並みの水の通りにくさを持っていて垢として自然に剥がれるまでは大事なコーティング材です。綺麗好きな人ほどやってしまうゴシゴシ洗いで刮げ落とすなど(24時間は回復しません)トンデモない。肌トラブルや掻痒症は良かれと思う洗いすぎも結構原因となってたりするので、洗顔や入浴の洗浄は、とにかく優しく、ホコリや汗、余分な皮脂を洗うだけくらいにしましょう。

先日、映画「沈黙の艦隊」を観てきましたが、原作はかわぐちかいじ氏の漫画で、鍼師が大学生の時、3大名作漫画の一つと思っていた作品です(映画は途中まで)。テーマは人類を核の脅威から如何に解放するか?というものですが、現在のウクライナ戦争やイスラエル・パレスチナ紛争を主人公の海江田四郎が見たら、他力本願はアカンけど、その神がかりな人間力で、なんとかしてくれるのではと夢想してしまいます。

2023年10月

今年の夏は、鍼師も夏バテを実感する猛烈な暑さでしたが、最後は一転し、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉を実感させられ、最後のイタッチッペで28日の猛暑日を記録するような夏の終わりでした。今年の猛暑が単発の異常気象のせいであって欲しい(毎年なんて無理)と願う今日この頃です。

気づけば日はかなり短くなり、朝晩は肌寒い日も出てきました。9月は新型コロナも第9波が来ていたようで、夏季に珍しいインフルエンザ流行もあり、ウイルス性感冒の流行は、気温や湿度の影響より、換気(常時エアコン運転による換気不足)の方が関連深いような気がしています。

これからは気温がさらに下がり、急速に空気が乾燥して本格的に秋の気配を感じるはずですが、東洋医学的な考え方では、秋は肺系(呼吸器・皮膚・粘膜)が影響を受ける季節です。これからは、肺を強化する「中府」「肺ゆ」、免疫強化の「大椎」、喉の強化や熱取りに使う「母指・人差し指の爪の生え際」といったツボを刺激しましょう。

風邪に対しては、発熱の初期には上半身の発汗を促し、解熱薬は熱のピーク(発症から1日程度)まで我慢して服用、というのが理想です。漢方薬は、悪寒など風邪初期は葛根湯、発熱時は麻黄湯、咽喉痛には小柴胡湯加桔梗石膏、運悪く長引くと桂枝湯と場面により上手く使い分けましょう。

さらに肺の影響は、受動的な精神活動に作用し、感受性が高まり、ナイーブになります。感受性がいい作品に繋がると「芸術の秋」になり、味覚が高まると「食欲の秋」になります。また、人間関係では「恋愛や失恋の秋」も盛り上がって、楽しいことはより楽しく、哀しいことはより哀しく感じられます。東洋医学的には「憂い・悲しみ」が過ぎると、さらに肺を傷つけると警鐘を鳴らしており、この時期は、何か辛いこと、落ち込むことがあっても、「秋が私をそうさせるのね」と責任転嫁したり、割り切って感情を爆発させ、涙をたくさん流すのが、精神衛生上も肺機能的にも大事です。

鍼師も先日、サザンのライブにて夫婦ともに発散・スッキリしてきましたが、どうか●嫁の良い機嫌が続きますように(笑)

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